データ作成情報データ作成のコツと注意点を紹介いたします
データ作成情報では、入稿されたデータのチェックや修正の経験を基に、データ作成の注意点やマメ知識を掲載していきます。何かお役に立てる情報があれば、どんどん利用してください。
→今月の情報へ
アウトライン化《文字編》
文字のアウトライン化とは、
- 入力・編集した文字をすべて図形化し、変更できないようにして、
- 書体が使われていないデータを作り、
- どのパソコンやプリンタからでも同じような見え方で表示、印刷できるようにする。
というものです。
文字のアウトライン化は印刷会社や出力センターへの出稿時に非常に重宝される機能です。ほぼすべての印刷会社では、アウトライン化を勧めると思います。お客様が同じ書体環境を持っていても、入稿時にはアウトラインを推奨します。これは、書体のツメ情報に独自のものがあった場合、文字のズレが起こる可能性があるからです。1つでも書体があれば出力不可という出力センターも見受けられます。弊社でもアウトライン入稿を原則にしていますが、使用フォントをゼロにしなければ出力できないというわけではありません。検証し、可能であれば調整のチェックは弊社で行います。最低限、以下の基本作業だけは確実に行って入稿することが大切です。
※画像はMacOSX、WindowsXPのものです。
※ソフト又はOSのバージョンにより、メニューの名称などが若干異なる場合がございます。
▲ページ先頭へ
アウトライン化
アウトライン化の基本作業は2点だけです。
データのすべてを選択する→文字のアウトラインこの2点だけです【枠内参照】。
アウトライン化手順詳細
- まずは「全てを選択(選択→すべて)」します。
- 次は「アウトライン(文字→アウトライン作成)」化します。
下図はアウトライン後(2の画像)の文字を拡大し、画像化したものです。アウトライン前(1の画像)と比べると文字がパスに変化(アウトライン化)されているのが確認できます。
【注意点】
アウトライン化を実行した、もしくは実行前には、データは「別名で保存」することを忘れないようにしてください。
アウトライン作業後でうっかり上書きしてしまいファイルを閉じてしまうと、編集可能状態の文字のデータは失われ、文字の打ち替えなどが一切できなくなるからです。
上記作業でアウトライン化に失敗した場合は、原因として…
- ロックされている
- レイヤーがロックまたは不可視状態になっている
- 孤立点が存在している
- 四角形などのオブジェクトがテキストパスになっている
などが考えられます。
フォント検索・置換画面(文字→フォントの検索・置換)を開くと現在使われている書体(アウトライン化ができていない箇所)が分かります。
(フォントが残っている場合、フォントの検索置換画面からジャンプして該当場面にたどり着き、アウトラインまたは削除することもできます。)
▲ページ先頭へ
PDFの文字の埋込
PDFで入稿する場合は、PDFからの出力紙を、入稿紙としてください。理由として以下が挙げられます。
- 印刷は元データではなく、PDF通りにされる。
- PDF入稿は元データから変換した別のファイルであり、注意して設定を行わないと予期しない結果になっている事がある。
- 一見うまくいっているようでも、文字の埋込が不完全なため(参照フォントになっている、文字コードによる化けなど)字詰めや全体のバランスが崩れている事がある。
元データとPDFは、違う成り立ちでできているという考えで入稿してください。
PDFはかなり浸透してきましたが、印刷用データの入稿は、今でも、illustratorデータの入稿が圧倒的に多いです。アウトライン化という作業は、できあがった作品を納める為の最後のコーティング、パッケージと考えてください。PDFの入稿は、現時点ではIndesign(CS、CS2)からのPDF/X1a作成が最も安定したデータといえます。
【参考1】
アウトラインが確実にできるソフトは、illustratorのみです。Indesignにもアウトライン機能はありますが、複数ページに渡るデータの場合、一括してアウトラインができないため、確実な作業が難しいと思います。また配置データに書体を持つillustratorを配置した場合はさらに複雑になります。
もちろんindesign(「.idd」)形式のままでも印刷はできますが、
文字が崩れるリスクを考慮すると、Indesignの場合は文字を埋め込んだPDF入稿が、最も確実且つ安全です。
【参考2】
Illustrator-PDFは、サイズ、レイアウトに関するトラブルが起きやすいため、注意が必要です。
Illustratorから書き出したPDFは 、書類設定が基本サイズとなり、版下が書類設定より小さい場合は、アートボード内に位置する版下をそのままPDF化するため、中心よりずれている場合があります。逆にアートボードサイズから版下がはみ出す場合、描画領域の境界線(すべてを選択した状態で見える四角形のサイズ)が基本サイズに加わるため、同じく中心よりずれたり、配置オプションによっては、はみ出した部分がカットされたりする事があります。
弊社においては、IllustratorデータをPDF入稿するメリットは、さほどありません。Illustratorデータは、「.ai」(元のIllustrator形式)での入稿をお勧め致します。
→今月の情報へ
疑問点・不明点などございましたら、下記宛先にご連絡ください。
メール、お電話、FAX、何でも結構ですので、よろしくお願い致します。 |