データ作成情報データ作成のコツと注意点を紹介いたします

データ作成情報では、入稿されたデータのチェックや修正の経験を基に、データ作成の注意点やマメ知識を掲載していきます。何かお役に立てる情報があれば、どんどん利用してください。

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2色印刷《2色印刷データの作成方法と確認方法》

ご要望のご予算や表現内容、ソフトの機能などにより、入稿データのカラーモードは様々です。持込データで最も多いのは、やはりCMYKモードの4色カラーデータです。次いで、Microsoft Officeなどで作成されたRGBモードのフルカラー、1色印刷用のグレースケールデータと続きます。 データ入稿による2色・3色印刷のご要望は、割合少ない傾向にあります。「2色印刷とは何か」を把握していらっしゃるお客様も、意外と少ないのではないでしょうか。

2色印刷とは

印刷におけるフルカラーとは、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)4色から成り立っています。2色印刷とは、この「C・M・Y・K」4色のうち、2つの版を利用して印刷することです。
下の写真は、CMYKフルカラーです。右側のチャンネルを見ると、4つの版にそれぞれ色が入っているのが確認できます。

上の画像を、2色印刷用に変換したのが下の画像です。ご覧の通り、「C・M・Y・K」中2版しか使用していません。

上の2色用データを使用し、シアン版→DIC250(緑)、マゼンタ版→DIC120(オレンジ)のインクを使用して印刷すると、下のようなイメージになります。※あくまでイメージです。

2色印刷は4色カラー印刷より低コストで、特色を利用すれば、こだわりの色表現も可能です。ただ、ある程度デザインやDTPの知識がないと、データの作成などが難しく、4色フルカラーのデータを作るより厄介です。
2色印刷用のデータを作ったつもりでも、データチェック時に、2色以上使われているのを発見するケースもよくあります。ここでは入稿時にデータを2色印刷対応にする方法、または2色印刷用として問題ないか確認する方法を紹介致します。


インデザイン <indesign>

「ファイル→プリフライト」の「カラーとインキ」で、使用版を確認することができます。CSバージョンなら、上の図の通り、「分版プレビュー」で使用する版を消して確認すると便利です。2色を消してもまだ残っている箇所があれば、2色以上使用されています。
ただし、プリフライトで4色である、という結果であっても、見た目に2色以上使われていなければOKです。たとえばCMYKモードでK版だけ使用しているPhotoshopデータがあると、プリフライトではプロセスブラックとして扱ってくれません。
プレビューとプリフライトをうまく組み合わせてチェックしましょう。


イラストレーター <Illustrator>

最初から2色で作る場合は、データを2つのスポットカラー(またはグローバルスウォッチ)で作成します。スポットカラーの色は刷色に近い物にしておき(DIC番号など)、完成した時点で、スポットカラーの数値をそれぞれシアンとマゼンタの100%にします。シアンとマゼンタ以外の色が残っていれば、そこを2色にします。「選択→共通→塗りと線」で、選んだ同じ色のオブジェクトを隠していくことで、不要な色を探しやすくなると思います。(IndesignCSをお持ちでしたら、前述の分版プレビューが効果的です)


フォトショップ <Photoshop>

まず、モードが「CMYK」であることが大前提です。CMYKモードのチャンネルウインドウから、各チャンネルのプレビュー表示(左端の「目」のマークです)で、各チャンネルにどれだけ色が「のって」いるか、確認できます。
ここでは、CMYK4色から2色へデータを変換する方法の一例を紹介します。

  1. イエロー版のチャンネルを選択しカットする
  2. シアン版へ、ペーストした後「編集→フェード→描画モード乗算・不透明度30%」にする(数値は参考)
  3. 同じようにブラック版をカットし、マゼンタにペーストしてフェードする。

写真の内容により、ちょっと濃すぎる(薄すぎる)ケースもあるかと思います。その場合は、トーンカーブなどで色調を調整するとよいでしょう。
新規スポットカラーチャンネルを利用すれば(CM各チャンネルをそれぞれのカラーにカットペースト)、刷り色(印刷したい色)のイメージを確認することも可能です。ただし、あくまで「参考程度」であることをご了承ください。
内容により仕上げが難しい事もあるため、2色データを入稿される場合は事前にご相談ください。


マイクロソフトオフィス <Microsoft Office>

Officeデータは、カラーがRGBベースのため(PublisherはCMYK対応) 、原理上、CMYK中2色のデータとして入稿することは困難です(ほぼ不可能といってもよいでしょう)。
RGBデータは印刷用色変換の際に、違う色に置き換わります。下をご参照ください。

上は一見1色に見えますが、RGBのままでは印刷できません。CMYKに変換すると… 「赤」1色ではなく、M+Yの2色になっていることが分かります。

Officeデータをそのまま2色印刷用として使用するには、PDFなどのCMYKカラー対応データへの置換が必要となり、その作業は技術と時間を要します。まずは事前にご相談をいただけたらと思います。
RGBベースで2色だけ使用したデータをお持ちの方から「Officeデータを2色で印刷したい」というご相談を承るケースもあります。黒+部分的に別の色というケースの場合は、見た目に2色のデータを作って入稿するより、モノクロで作成したデータに出力紙を添付し、「ここに、この色をつけて欲しい」という指示をご記入いただいた方が、弊社作業としては効率良く、素早い対応をお約束できることもあります。

ただし、修正内容にグラデーションなど細かい指定が含まれるときは、大幅な修正の扱いとなる場合があります。ワードアートなど複雑なオブジェクトに関しては、画像書き出し→2色変換、という対処法もありますが、いずれにせよOffice以外のソフトで行う作業です。
4色カラーのデータ作成は、スウォッチやフィルタで自然とカラフルになっていきますが、色を最小限に抑えたものでも、十分に良いものづくりは可能です。コスト面も含め、2色データの作成・印刷について一度お問い合わせください。

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