データ作成情報データ作成のコツと注意点を紹介いたします
データ作成情報では、入稿されたデータのチェックや修正の経験を基に、データ作成の注意点やマメ知識を掲載していきます。何かお役に立てる情報があれば、どんどん利用してください。
クリッピングマスクの使用《トンボなどから大きくはみだした画像の処理》
データ作成に不慣れなお客様のIllustratorデータを見ると、画像データの不要な(はみ出した)部分を、白の四角オブジェクトで強引に隠していることがあります。これは、Wordでも見られる処理です。
DTPの仕事で「マスク」というと、大きく二つに分けられます。
ひとつは、画像の修正・補正作業中に、触りたくない部分を覆っておくマスク(レイヤーマスク)。もうひとつは、画像やイラストに対して、好きな形、大きさの枠をつけてその中に収めるマスク(クリッピングマスク)があります。前者がおもにPhotoshop、後者がおもにIllustrator、 Indesignで使用されます。
今回、紹介させていただくのは後者の「クリッピングマスク」機能です。この機能を知らなくても、画像を白で塗りつぶすなどして、見た目上、画像を切り抜いたように加工できますが、トリミングの変更、写真の移動、再配置など、マスクを使っていないと困る場面は随所にでてきます。
以下、「クリッピングマスク」の効果、作成方法の注意点とポイントを紹介します。ご参考にどうぞ
※画像はWindowsXP、MacOSXのものです。
※ソフト又はOSのバージョンにより、メニューの名称などが若干異なる場合がございます。
Illustrator
クリッピングマスク機能を使用すれば、文字や図形を使って、写真などを図形に沿って切り抜くことができ、写真だけでなく、複数の図形、イラストなどにも使用できます。[下図参照]
クリッピングマスク使用一例
クリッピングマスク作成手順
- まずは切り抜かれる図形(写真)などを用意します。上記の例でいうと、ひまわりの写真です。
- 切り抜く形をツールで作成し、切り抜き場所に移動します。例では赤丸。
今回は線の色を赤に設定していますが、色は関係ありません。仮に線を赤色、塗りを白にしてもマスク後に影響ありません。 - ひまわりと赤丸を同時に選択して、Ctrl+7(windows)でクリッピングマスクを実行します。

【注意点】
切り抜く図形が切り抜かれる写真の背面にある場合はマスクが実行できません。
切り抜く図形は必ず、切り抜かれる写真の前面に配置してください。
Indesign
Indesignは、フレームを作りそこに配置(取り込み)することで写真を貼り付けます。枠を作りそこに写真を入れるというのが基本操作なので、はじめからマスク機能を使用していることになります。
Indesignはフレームツールで作成した形に配置された画像が切り抜かれます。
ツールメニューでは「長方形」「楕円形」「多角形」しかありませんが、アンカーポイントをペンツールで追加することで様々な形に変更できます。
フレーム調整オプション(CS3のみ)
IndesignCS3では、フレーム調整オプションで「位置」などをあらかじめ設定しておくことで、フォルダからファイルをフレームにドラッグするだけでフレーム内での内の大きさや位置を調整してくれます。
Word、Excel
オートシェイプ機能を使うと、WordやExcelでも、写真を様々な形に切り抜けます。
オートシェイプ設定(word、excel共通)
- まずは、「オートシェイプ」から切り抜く図形を選択、挿入します。選択した状態で右クリックから「オートシェイプの書式設定」を選択します。

- 「塗りつぶし」の項目の「色」メニューから「塗りつぶし効果」を選択します。

- 「図」に切り換えて「図の選択」をクリックし、写真やイラストを選択すると、選択した図形で写真が切り抜かれます。

良い写真は全景使用したいものですが、中にはカットしたい部分もあるかと思います。
また、上手にマスク機能を利用して、同じ図形やサイズで写真を整列させることで見栄えのいいデータが出来上がります。
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