データ作成情報データ作成のコツと注意点を紹介いたします

データ作成情報では、入稿されたデータのチェックや修正の経験を基に、データ作成の注意点やマメ知識を掲載していきます。何かお役に立てる情報があれば、どんどん利用してください。

「黒」と「掛け合わせ」について

プロではないお客様が、思い違いや錯覚を起こしやすいのが、「色に関する問題」です。
中でも多いのが、「黒(K100)」と「掛け合わせ(CMYK100)」の混同で、下記の場合は要注意です。

「黒の背景の上に、掛け合わせ色の画像を載せている場合」
「逆に、掛け合わせ色の背景に黒の部品を載せている場合」

「黒」と「掛け合わせ」は、モニタ上やお客様がご用意した出力紙では差が見い出せないケースが多く、弊社レーザープリンタで出力した簡易校正紙をご覧になり、びっくりされることもあります。
また、お客様の中には、意図的に「掛け合わせ色」(業界用語でいう「リッチブラック」)を使うケースもあるので、一概に「黒に統一」というわけにもいきません。
今月は、お客様側でも判別できる方法などについて、まとめたいと思います。

  • 「黒」と「掛け合わせ」の違い(概論)
  • 「黒」と「掛け合わせ」を判別する方法

※画像はWindowsXPのものです。
※ソフト又はOSのバージョンにより、メニューの名称などが若干異なる場合がございます。

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「黒」と「掛け合わせ」の違い(概論)

モニタやテレビで見る色はRGBカラーといって、すべての色が集まると真っ白になります。
これに対し、印刷に使用されるCMYKカラーは、真っ黒になります。[下図参照]

上図:右の真っ黒な色(4色すべてが混ぜ合わさった色)は、単色の黒と識別するために印刷業種においては「掛け合わせ」または「リッチブラック」と呼ばれています。
「黒」と「掛け合わせ」は、同じ色ではありません。また、「掛け合わせ」の色の出方は、印刷時のインキの特性や、用紙の違いによって様々です。

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「黒」と「掛け合わせ」を判別する方法

色ムラや版ズレを防ぐために、意図的に「掛け合わせ」にしているデータもありますが、通常、「黒」の表現は、K100で設定されます。
問題なのは、作成者が気づかない内に、「黒」が「掛け合わせ」になっている下記のようなケースです。

  • Illustratorで、RGBモードで作業をしており、途中でCMYKモードに変更した
  • RGBカラーが含まれている部品を、Illustrator(Indesign)にコピー・ペーストした
  • ExcelやWordの文字や表をIllustrator(Indesign)に配置、インポートした
  • RGB設定を持つPDFをIllustratorで開いた

上記のような場合、IndesignやAcrobatの分版プレビューで、「黒」が「掛け合わせ」になっていないかのチェックをお勧めします。[下記参照]

※CS4ではIllustratorにも分版プレビュー機能があります

Indesign(CS~CS3)でのチェック方法

  1. まずは、「ウィンドウ」→「出力」→「分版」でダイヤログを表示します。
    ※windowsならば「Shift+F6」で、表示させることができます。
  2. 表示マークを消すことで、マゼンタだけ表示させたりすることもできます。
    カーソルを色を調べたいオブジェクトなどに移動させれば、各版のパーセンテージが表示されます。

Acrobat(ver.8)でのチェック方法

  1. 「アドバンスド」→「印刷工程」→「出力プレビュー」でダイヤログを表示させます。
  2. Indesignと同様、カーソルを調べたい文字などに移動させると、自動でCYMKの値を表示し、チェックをはずすことで、Kのみ表示させたりすることもできます。
    ※下図ではカーソルは赤ですが、実際は黒です。

「掛け合わせ」のデータは印刷不可能ではありませんが、「はっきりしない」「ぼやけた字になる」「写真の背景にしたときに写真と色が異なる(境界線がはっきり出てしまう)」などの問題が起こる可能性があります。

またこれらはモニタでの目視ではチェックできない場合が多く、出力にて初めて気付く場合があります。それも、カラーマッチングされたプリンタでなければ、気づかない可能性が高いです。
モニタで作っていた状態とプリンタで違う仕上がりに驚く方も多いでしょう。

モニタ、プリンタ、印刷物の色の合致(カラーマネジメント)は、個人レベルでは難しいテーマです。
弊社レーザープリンタでの簡易校正も可能ですので、色が気になる方はぜひお問い合わせください。

疑問点・不明点などございましたら、下記宛先にご連絡ください。
メール、お電話、FAX、何でも結構ですので、よろしくお願い致します。

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