ページ物(冊子)のデータ作成
データ作成情報では、入稿されたデータのチェックや修正の経験を基に、データ作成の注意点やマメ知識を掲載していきます。何かお役に立てる情報があれば、どんどん利用してください。
ページ物(冊子)のデータ作成《ソフト別TIPS》
ソフトに関する問い合わせで意外と多いのが、「○○ページのパンフレット(冊子)を作りたいのですが、ソフトは何がいいんでしょうか?」という質問です。
- llustratorでもページ物の入稿は可能なんでしょうか?
- 開いた状態(見開きのこと)で作るべきでしょうか?
- 1ページずつ作ってもいいのでしょうか?
- Indesignっていうソフトがあるんですか?どんなソフトですか?………etc
私たち印刷業者は、普段から印刷機、製本機と接しているため、逆に気付きにくいのですが、一般の方にとって、「ページ物」のデータ作成は、イメージが湧きにくく、最初の段階でつまづくことも多いようです。
ページ物データ(全般)の注意事項
「ページ」 の概念を持つソフトは、Word、一太郎、Indesign、Publisher、Pagemaker、QuarkXpressなどがありますが、これらのソフトでないとページ物データを作成できない訳ではありません。
Illustratorでも十分作成可能ですし(あまり向いているとは言えませんが)、Powerpoint、Excelなどで作られる方もいらっしゃいます。
ソフトによって、細かい注意事項は色々ありますが、共通して大切なのは「どれが何ページ目なのか、分かりやすいこと」であり、その配慮ができていれば、どのソフトでもページ物データの作成は可能です。
- ファイル名によりページ数が把握できる事(総ページ数の桁に合わせて名前をつけると整理しやすい)
- 最初のページ、章の初めからデータが始まる事。作業の都合であっても最終ページがきてからプロローグのようにはせず、最後は順番通りにする
- ページは連続している事。たとえば1ページの次が3ページだったり、奇数ページでつながっていない事
下記、ソフト別に注意事項の例を幾つか挙げてみました。参考にしていただけたらと思います。
※画像はWindows XPのものです。
※ソフト又はOSのバージョンにより、メニューの名称などが若干異なる場合がございます。
Illustratorとページフォーマット
「印刷用のデータ作成ソフト」といえば、Illustratorを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、Illustratorは「ページ」という概念を持たないソフトです。「ヘッダ」「マスターページ」といった、「フォーマットとしての設定(作業に影響される事無く固定できるエリア)」もありません。
Illustratorの場合は、1ページずつ、確実にデータを作るのが一番です。
操作性、自由度という意味では、Illustratorは群を抜いています。フォーマットデータを作ろうと思うのではなく、しっかり決められたルールにのっとることが大事です。
- 「テンプレート」形式でフォーマットを作る→変更後のレイアウトは反映されません。
- 共通の版下部品を配置画像としてリンク→配置部品修正後、各ページを保存し直す必要があります。
- レイヤーを利用してページ作成→1ファイルにレイヤーで複数ページを作るのは、ミスの元です。
- 1つのファイルに全ページ貼り込む→ファイルが肥大化し、破損したときのリスクが大きく、危険です。
Indesignでのページ物作成について
Indesign上で新規ファイルを作成すると、1枚のファイルが立ち上がります。そこから、ページを増やし、ページ物のデータにして行きます。簡単かつ重要な操作を幾つか紹介します。
ページを増やす
ウィンドウで「ページ」パレットを表示し、マスターページをドラッグすれば、簡単に作成できます。
もしくは「ページ挿入」からダイアログを操作し作成します。

自動でページ番号を付ける
- マスターページを選択し、マスターページ内にテキストフレームを作成します。
テキストフレームは下図以外の方法でも作成することができます。
例えば、長方形を作成し、「オブジェクト」→「オブジェクトの属性」→「テキスト」に設定することでも作成できます。
- テキストフレーム内のポインタが点滅していたら、「書式」→「特殊文字の挿入」→「自動ページ番号」を選択します。
テキストフレーム間リンクの設定
- 任意のテキストフレームを選択し、テキストフレームの「インポート」または「アウトポート」をクリックします。
※ヘルプにも記載されているので索引で「アウトポート」を検索してみるのもよいでしょう。
- 連結したいフレームをクリックすると文字が自動で流れます。フレーム内に収まっていなかった分が連結(リンク)したフレームに移動します。
見開きから始まる文書を作成
幾つか方法はありますが、ここでは以下の2通りを紹介致します。
適当に10ページで「見開きページ」にチェックを入れて作成します。
- 「ページを移動許可」を無効にして、1ページ目を削除
- 「スプレッド分離禁止」、「ページを移動許可」を有効にして、1ページ目を削除
Word、一太郎でのページ物作成について
Wordや一太郎は、複数ページの文書作成が前提となっているため、ページの作成に苦労することはないかと思います。文章の量が増えると、自動的に新規ページが作成されます。ページのレイアウトを調整するには「ページ設定」「フッタ・ヘッダの設定」で対応可能です。
その他ソフト(Powerpoint、Excelなど)でのページ物作成について
ExcelやPowerpointは、基本的にはページ物の作成には向いていません。
やむを得ずご使用の際は「どのファイルが」「何ページ目に来るか」がはっきり分かるよう明記してください。
→関連資料「excel Tips」
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