データ作成情報データ作成のコツと注意点を紹介いたします
データ作成情報では、入稿されたデータのチェックや修正の経験を基に、データ作成の注意点やマメ知識を掲載していきます。何かお役に立てる情報があれば、どんどん利用してください。
約物、ルビの作成方法
入稿データを内部校正した後、担当者から、以下のような確認事項が出ます。
「ルビの割り付けがズレている気がするのですが?」
「ダブルクオーテーションマーク(“”)の付け方が間違っている?」
ルビや約物は、お客様の知識がないケース、作り方が分からないケースなど様々なのではと思います。
フリガナ(ルビ)は、文字の半分くらいの大きさが適当とされ、ソフトでの初期設定も実際の文字の50%になっています。
しかし、本文が小さいと、当然ルビも小さくなりますので作成時にはお気を付けください。
今月は「約物、ルビ」をテーマに作成方法や注意点、マメ知識を紹介していきます。
※画像はWindowsXPのものです。
※ソフト又はOSのバージョンにより、メニューの名称などが若干異なる場合がございます。
Indesign
Indesignにはルビ機能で、文字の幅や入れ方に応じて変更できます。
また、強調する箇所などを示すときに、ルビで中黒(・)をいれるよりは、文字パネルメニューの「圏点」という機能でもまとめて設定できます。
ルビの作成(CS~CS3)
- ルビを振るテキストを選択後、「文字パネル」→「文字パネルメニュー(赤丸部をクリックすると出現)」→「ルビ」→4つの項目(青線囲み部)のいずれかを選択します。
※テキストを選択後、右クリックでも「ルビ」を選択できます。
- 項目をクリックすると下図のようなダイアログが出現します。
各設定を終えたら、ルビの作成は終了です。
※設定の詳細について下記の「ルビ設定について」をご参照ください。
ルビ設定について
ルビの位置と感覚
- 「種類」で、形式を選択できます。
- 「揃え」で、揃えを選択できます。プレビューを確認しながら使い分けてください。
- 「位置」で、位置を親文字の上か下か選択できます。
※縦書きの場合は、左か右か選択できます。 - 「親文字からのオフセット」で、親文字との間隔を調節できます。
ルビのフォントとサイズ
- 「フォント」で、フォントを選択できます。
- 「サイズ」で、大きさを調節できます。
- 「水平比率」「垂直比率」で、比率を調節できます。
ルビが親文字より長い時の調整
- 「文字かけ処理」で、選択した親文字の領域より、両脇にはみ出してもいい間隔の設定ができます。
- 「親文字間の調整」で、親文字の字間の調節ができます。
- 「ルビの文字幅を自動的に詰める」で、ルビの比率を調節できます。
ルビカラー
- 色をリストから選択できます。
- 「濃淡」で、濃度を調節できます。
圏点の作成(CS~CS3)
文章中、強調したい単語に中黒(・)を文字の上につけることがあります。
ルビで作成することもできるのですが、「文字パネルメニュー」→「圏点」の方が、簡単です。
作成方法は以下をご参照ください。
- ルビ作成とほぼ同じ手順です。
テキストを選択後、「文字パネル」→「文字パネルメニュー(赤丸部をクリックすると出現)」→「圏点」→青線囲み部のいずれかを選択します。
※テキストを選択後、右クリックでも「圏点」を選択できます。
- 「圏点設定」または「圏点カラー」をクリックすると、下図のようなダイアログが出現します。
各設定を終えたら、圏点の作成は終了です。
※設定の詳細について下記の「圏点設定について」をご参照ください。
圏点設定について
ルビのフォントとサイズ
- 「親文字からの間隔」で、親文字からの間隔を調節できます。
- 「圏点位置」で、位置を親文字の上か下か選択できます。
※縦書きの場合は、左か右か選択できます。 - 「サイズ」で、サイズを調節できます。
- 「揃え」で、一文字に対しての圏点の位置を選択します。
- 「水平比率」「垂直比率」で、比率を調節できます。
- 「圏点種類」で、圏点の形を設定します。「カスタム」で、オリジナルの圏点を作成することも出来ます。
圏点カラー
- 色をリストから選択できます。
- 「濃淡」で、濃度を調節できます。
Word(2000、2003、2007)
Wordでは、簡単なルビ入力ができます。
ルビは、自動で振られてるので、入力する必要はありません。もちろん、変更することもできます。
ルビの作成(2000、2003)
- ルビを振る文字を選択して、「書式」→「拡張書式」→「ルビ」をクリックします。
- 「ルビ」をクリックすると下図のダイアログが出現します。
「配置」や「フォント」などの各設定は、ダイアログ下部にあるプレビューを見ながら、調節してください。
ルビの作成(2007)
- ルビを振る文字を選択して、「ルビ(ア亜)というマーク(赤丸部)」をクリックします。
- 「ルビ」をクリックすると下図のダイアログが出現します。
「配置」や「フォント」などの設定は、ダイアログ下部にあるプレビューを見ながら、調節してください。
Illustrator
Illustratorにはルビ機能がないので、フリガナはテキスト中の文字を小さくしてカーニング、ベースラインで合わせたり、割注設定をつかったりしてやる方もいるようです。
しかし、設定が複雑すぎて、あとの調整を考えると、一つのテキストパスにこだわらずに、レイヤーや別のパスで文字の上にルビを置く方が、単純で確実かもしれません。
または、前述の方法でルビ付きのwordデータを作ってから、PDFに変換し、Illustratorで開ける、という手段もありますが、いずれも臨時の対応に留めておくべきでしょう。
約物について
冊子の文章をチェックしていると、“○○”(二重引用符)を使用しているケースがありますが、よく見ると形が左右同じになっています。[下図参照]
おそらく、「Shift+2」では「”」しか、入力できないのでこうなるのだと思います。正しい「“”」は、「かっこ」と入力し、変換すると候補に出るので選択します。
※wordの場合、「Shift+2」で入力すると、自動で「“”」に変換されますが、バージョンなどにより正しく変換されない可能性もあります。


しかし、上記の「“”」は横書き専用であるため、縦書きに使用すると右図のようにバランスが悪くなります。
縦書きの場合も、二重引用符は、「かっこ」を「〝〟」に変換します。
引用符と文字の間隔が気になる方は、引用符を選択して「書式」→「フォント」→「文字幅と間隔」タブにある「文字間隔」を「狭く」にして数値を指定します。[下図参照]

写植の時代には、ルビもきれいな組版(読みの下に漢字が一つずつ整っている)として印刷物は仕上がっていましたが、DTPソフトを使用する中で、揃えにはこだわりをもたない傾向も出てきています。
詰め設定など文字組版もレベルアップしていますので、ルビはwordクラスの機能充実を待ちつつ、ユーザとしてこだわりもみせたい部分です。
疑問点・不明点などございましたら、下記宛先にご連絡ください。
メール、お電話、FAX、何でも結構ですので、よろしくお願い致します。