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データ作成情報では、入稿されたデータのチェックや修正の経験を基に、データ作成の注意点やマメ知識を掲載していきます。何かお役に立てる情報があれば、どんどん利用してください。
OfficeデータをAdobeソフトに流用する《弊社での作業例》
先日「エクセルのグラフをイラストレーターに流用しようとすると、粗画像になる」とのご相談を受けました。
Excelのグラフや表、ワードやパワーポイントのオブジェクトなどを印刷用データとして流用する方法は、効率と正確性(打ち間違いがない)から考えても重要です。
Adobe系のソフト(イラストレーター、フォトショップなど)のバージョンも上がるにつれて、Office系ソフト(ワード、エクセルなど)との親和性が上がっている面もあるかと思います。
以下、「OfficeデータをAdobeソフトに流用する方法」の弊社での作業例を紹介します。
あくまで一例であり、各メーカーも推奨していないまたは最適な方法でない場合もありますが、ご参考にどうぞ
※画像はWindowsXPのものです。
※ソフト又はOSのバージョンにより、メニューの名称などが若干異なる場合がございます。
写真-その1
まずは、Office→フォトショップへの画像化の手順を簡単に紹介します。
写真を選択し、「図の書式設定」を選んで、サイズを最大値または適正なサイズに等倍比率で調整する。
コピーして、イラストレーターにペースト
EPS保存して、フォトショップで開く、あとは元データを見ながら補正
と、なります。下記に詳細を紹介していますのでご参照ください。
Office→フォトショップへの画像化の詳細手順
- 写真を選択し、「図の書式設定」を選択して、サイズを原寸(100%)または適正なサイズに等倍比率で調整します。
「サイズと角度」または「倍率」で調整することをお勧めします。
※「リセット」をクリックすると、原寸(100%)にリセットされます。


- サイズを調整したらコピーして、イラストレーターにペーストします。このときのカラーモードは「RGB」モードを推奨します。ペーストする前に設定しておきましょう。
※カラーモードは「新規」でファイルを作成する時、またはメインメニューから変更できます。[下図参照]


- ペースト後、「別名で保存」するときに、「ファイルの種類」を「Illustrator EPS」に変更して保存します。

- 保存したEPSデータを、Photoshopで開きます。開くときにダイアログが出現するので、「解像度が350~400pixel/inch」、「モード」をRGBカラーに変更します。
あとは見本(元データなど)を見ながら適正な色調・サイズに調整していきます。
※Photoshopに直接ペーストすると、ドットが荒れてしまうことがあります。

写真-その2(フォトショップCS2以上限定)
1ファイル内に大量のページがあって、各ページに写真がある場合、PDFを書き出してPhotoshopで開く時に「画像」を選択すると、任意の写真だけを開くことが出来ます。
オブジェクト-イラスト(描画オブジェクト)
コピーしてイラストレーターにペーストするだけでいいのですが、ペーストの前に、オブジェクトの「図(オートシェイプ)の書式設定」で色の「透過性」があるかどうかをチェックしてください。[下図参照]
もし、透過性が適用されていると、イラストレータ上で分割されたオブジェクトになることがあります。(写真なども同様です)
オブジェクト-ワードアート
ワードアートをコピーして、イラストレーターにペーストすると、色々な設定も一緒についてきます。
イラストレーター上でラスタライズするか、文字の色や大きさをOfficeで調整し、PDFにしてからフォトショップで画像保管するのがよいかと思います。
ラスタライズについて
- コピーしたワードアートは、選択してみるとパスが入り組んでいて複雑になっています。

- イラストレーター上で「オブジェクト」→「ラスタライズ」を選択し、実行します。
ラスタライズの設定は「解像度」を350~400ppiにしておけば問題ないと思います。

文字(テキスト)
「名前をつけて保存」を実行し、「ファイルの種類」を「リッチテキスト形式(rtf)」などのテキストフォーマットで保存する方法がありますが、PDF作成後、「すべて選択」をして、文字をコピーしてからテキストエディタ(メモ帳やワードパッド)にコピーする方法もあります。
しかし、ワードアートに使用されている文字はテキストとして認識しないことが多いようです。
また、ワードやエクセルならば、フォーマット互換性が上がってきたインデザインに配置で取り込んでから、Indesignの検索置換で整理する方法もあります。
表
インデザインにペーストするのなら、エクセルなどの表はセルを維持したまま取り込めます。
イラストレーターにペーストすると、グラフや線の一部はヘアラインとなってしまい、印刷できない事もありますのでご注意ください。
エクセルの表をイラストレーターで使用する場合は、塗りが適用されている不要なケイを全て削除してから、0.3ptくらいの太さに設定するときれいな表になります。
データ作成情報-ヘアラインについて
OfficeとAdobeCSの親和性はバージョンが上がるたびに強くなっています。そのうち書き出しやリンクの性能も上がるかもしれません。
かつてはWindowsDTPといえばワードやエクセルをただ「印刷するだけ」でしたが、少しでもきれいに、高い品質を効率よく対応するべく、弊社も日々取り組んでおります。ぜひご相談ください。
疑問点・不明点などございましたら、下記宛先にご連絡ください。
メール、お電話、FAX、何でも結構ですので、よろしくお願い致します。


