印刷用紙Q&A

「紙、どれを選べばいい?」に、現場目線でお答えします。

用紙は、見た目だけでなく「書き込み」「乾燥」「折り」「価格」「納期」に直結します。ここでは、よくあるご相談をそのままQ&Aで整理しました。迷ったら最後にある「相談時に伝えると早いこと」も参考にしてください。

1

最初に決めるのは「用途」

同じ“紙”でも、DM/冊子/封筒/屋外掲示で最適解は変わります。まずは用途を起点に考えるのが近道です。

2

次に「納期」と「書き込み」を確認

短納期なら乾きやすい紙、手書きが必要なら滑りにくい紙が候補になります。見た目より先に“使い方”を揃えると失敗が減ります。

3

迷ったら「サンプル比較」

色味や質感は画面だけでは伝わりづらいです。近い候補を2〜3種に絞って、実物で比べるのが確実です。

まず押さえるポイント

短納期なら

乾きやすい紙・工程が安定する紙が有利です。

コストを詰めるなら

紙質だけでなく「厚さ」「部数」「送料(重量)」も一緒に見ます。

仕上がり重視なら

写真・ベタ面・折りの有無で、向き不向きがはっきり出ます。

[特殊な印刷用紙について]

DMはがきを作る予定なのですが、普通のコート紙や上質紙ではなく、更紙のような、表面がざらっとした感じの用紙を使いたいと思っていますが、どうでしょうか?

更紙は一般的に薄手となり、ある程度の厚さが必要なDMはがきには不向きです。厚手で風合のある用紙となると、特殊紙(ファンシーペーパー)となるのですが、以下の事項にご注意ください。

価格は通常の用紙より割高になります

単価の問題だけでなく、特殊な用紙は、まとめ購入が必要な物、用紙サイズのバリエーションが少ない物などあり、いずれもコストパフォーマンスに影響してまいります。

通常の用紙より納期が必要となります

特殊な用紙は仕入れに時間がかかるケースもあります。また、表面のざらついた紙は、コート紙と比べ、インクの乾きに時間がかかります。

スピーディーな告知が必要な場合、じっくりとこだわって内容をアピールしたい場合など、DMはがきの用途に応じて、用紙や刷り色も吟味されるのが賢明かと思います。ご相談ください。

ページ先頭へ▲

[紙の厚さ(カタログ)について]

中綴じの作品集を作りたいと思っています。品質を重視したいので、アートポスト200kg位の厚手の用紙を使いたいのですが…

冊子で特に気をつけるべきなのが「適切な用紙の厚さ」です。「厚手の用紙で立派な物にしたい」というのはご察し致しますが、むやみに厚くすると、以下のような弊害が生じます。

中綴じの膨らみ

「中綴じ」とは、見開き/二つ折りにしたページを、順々に重ね、真ん中を針金で留める製本です。重ねた用紙をまとめて二つに折ると、当然膨らみます。
この膨らみは、重ねる用紙が厚いほど、また枚数が多いほど顕著になります。膨らんだ物は仕上りの見栄えに支障があるだけでなく、外側と内側で用紙幅にズレがでてしまい、レイアウトに影響する可能性もあります。
また、あまり厚い用紙を重ねると、「折り」そのものが物理的に困難となります。

中綴じの折り目(背割れ)

例えば、画用紙のような厚紙を手で折ってみると、折り目がギザギザになってしまい、割れたようになります。このように、紙が厚くなると、折り目がシャープにならないことがあります。
その折り目の箇所にインクが乗っている場合(例えば表紙のバック全面に色が入っているなど)、折り目の部分のインクがパックリ割れてしまい、紙の地が出てしまうこともあります。これを背割れといい、決して綺麗な仕上りとはいえません。

無線綴じの接着

「折り」が発生しない、無線綴じの本文はどうでしょうか。
無線綴じは、本文の「背」の部分を糊で接着し、表紙で包む製本です。それぞれのページは、一辺の数mm部分についている糊でのみ繋がり、一冊の本という体裁を保っていることになります。用紙が薄目の場合は、しなやかで軽い分、糊の影響力が強く、剥がれにくいのですが、本文の用紙が厚いと、用紙がしなやかさを失うため、力が加わることによりページが剥がれやすくなります。1枚の紙としては丈夫ですが、本としては脆い仕上りになってしまいます。

弊社では、中綴じの場合、ページ数が少なくても135kg程度を推奨致しております。
無線綴じの本文は、アート紙で110kg程度、マット紙だともう1ランク薄い方が良いかと思われます。
上記はあくまで「スタンダードな基準値」ですので、基本的にはお客様のご要望にお応えしたいのですが、こだわりが逆効果にならないためにも、随時ご相談いただけたらと思います。

ページ先頭へ▲

[用紙の種類(DMはがき)]

年明けから春にかけて、DMはがきを作ろうと思っています。お勧めの紙はありますか?

基本的には、各方々の好みとなります。ただ、用途により向き、不向きはございますので、一例を紹介致します。

グロス(光沢)系:アートポスト、アイベストなど

光沢のあるグロス系の紙は、カラー印刷が映え、色が鮮やかに再現されます。また、他の用紙と比べてインクの乾きが比較的早く、弊社デジタル印刷にも適している用紙ですので、短納期希望の際はお勧めです。コストも比較的お手頃です。
ただし、表面が滑るため、鉛筆や水性ペンでの書き込みには不向きです。宛名を書かれる際には、書き込み方法を検討した方が良いかもしれません。
ボールペンなどで書く場合、ラベルで印字する場合は特に問題ありません。

マット(艶消し)系:サンマット、ロストンカラーなど

グロス系のような派手なカラーではなく、しっとりとした落ち着きのある色再現をお好みの方が、最近増えていらっしゃいます。そのような方には、マット系がお勧めです。
コスト的には、手頃なものから高めのものまで様々です。随時ご相談ください。
マット系は、特に「納期」にご注意ください。マット系は、グロス系と比較してインクが乾きにくい傾向にあるため、印刷時間に+2~3日余裕を見ていただくケースもございます。

ファンシー(特殊紙)系:Mr.Bm、ヴァンヌーヴォFなど(多数)

マット系で述べたようなメリット・デメリットが、更に顕著なのがファンシー系の用紙です。
それぞれの用紙に独特の色合い、風合いがあり、イメージにこだわりの方が使用されるケースもよく見られます。
非常におもしろい物ができあがりますが、基本的に、インクの乾きは遅く、短納期には不向きです。コストもグロス系の物より高価です。
もしご検討の際は、多少お時間に余裕を持って、「じっくりと」取り組まれることをお勧めいたします。

非塗工系:上質紙など

官製はがきのような紙を思い浮かべていただくのが、分かりやすいかと思います。
表面に塗工が施されていないため、印刷の美しさに関しては、上記にひけを取るというのが一般的な見方です。
ただし、「カラー品質」に重点を置かない物になると、上質紙のメリットである機能性が効果を発揮します。表面が滑らないので書き込み易く、光をあまり反射しないので文字も読みやすいため、アンケートはがきや挨拶状などには最適です。コストも安価です。

印刷機を日常稼働している者だけが分かる、メリット・デメリットもございます。事前のご相談が、ご要望通りの物を作るための近道かと思います。